歯冠・歯根破折
歯冠破折
近遠心方向に破折する
歯軋り、咬耗のため亀裂が生じ、そこに硬い食べ物をを咬むことで、有髄歯でもこのように真っ二つになってしまいます。
抜歯になりました!
割れた歯は元には戻りません。

近遠心方向に破折線が観察できます。
う蝕は、C3ではないのですが、破折が歯髄におよび歯髄炎症状を示します
メタルコアが応力集中の原因となっている
昔の支台築造の教科書どうりのメタルコアが入っており、適合も良好なのに
根尖性破折
根尖孔を中心に破折が広がっていく
下顎大臼歯近心根に多くみられ、頬舌方向に破折する
レントゲンで観察しやすいが、わかったときは陳旧性で、初発症状から年月を経ている。
割り箸が割れたように見えます。
複根歯の場合、破折しても無症状に経過し、突然腫れます。
また、口臭の元になっていることも多いようです。
破折を臨床的に診断し、抜歯したもの。
根尖孔が起点となり、破折が始まっているのが良くわかる。
この状態をレントゲンで診断できるのは稀。
頬側に入っている亀裂が見えますか?
比較的フレッシュなもので、レントゲンでは絶対に見つかりません
破折の分類
亀裂の発生と応力の集中による(飯島国好先生の講演より)
  1. 歯冠破折: 近遠心方向が多い。
  2. 根管性破折: 金属ポストがらみのことが多い。
  3. 根先性破折: 根先孔を含み、頬舌方向が多い。
  4. 根側性破折
歯根破折の原因
以下のあてはまる項目が多いほど、リスクが高まります
  1. 無髄歯
  2. 残存歯質とくに歯肉縁上歯質がない
  3. メタルコア、金属ポストの使用
  4. 主咀嚼歯、最後方歯
  5. 大臼歯の咬合支持がない
  6. ブリッジの支台、義歯の鈎歯、咬合の負担がある
  7. 骨格系が Brakio Facial type
  8. ブラキシズム、クレンチングのパラファンクションがある。