Dexis デジタルX線 画質の物理評価    2005/01/09   更新

 
昨年、デンタルショーで見たデジタルX線”Dexis”というシステムを導入しました。デジタルエックス線システムの導入を検討されている先生、必見です。
http://www.independent.co.jp/dexis/
http://www.dexray.com/
  

Clinical Sample:  左がDexis(照射時間0.4sec)、右がフィルム画像(0.7sec)です。

営業の方の話しでは、画質は現像液などいい条件の時のフィルム写真と同じとのことでしたが、どうも今までのフィルム画像で見えていたところが見えないのです。

フィルムをスキャナーで取り込んでくらべてみても、やはりフィルム画質の勝ち(肉眼感覚的なものですが)実際のところはどんなものでしょう。コメントいただければ。
 
Re>  さて、興味深いお問い合わせを戴き、さっそく御教授いただいたWebページを少しながめてみました。先生の視覚評価は確かであると思いますが、まだ、画質の物理評価や臨床評価がWebにはないようですから、使用報告をお書きになる気がおありならば、つぎのことを参考にしてみて下さい。
 
 簡単な提案があります。台所にあるアルミニウムフォイル(通常12 micro-meters=0.012 mm程度)を適当に重ねた被写体をアルミニウムの板(1 mm - 15 mm)に載せてフィルムとCCDの両システムで撮影してみて視覚評価してみませんか。そのときの撮影配置は同じにして照射時間(絵文字)を記録します。これで、両システムの低コントラスト分解能が比較できます。もし、両システムの観察条件を厳密に同じにしたいなら、先生が実行されたように、フィルムもスキャナーで取り込み同一のCRT上で観察すれば誰も文句はないと思います。
 
原田康雄@昭和大学
2005.1.2
 ということで、早速実験スタート
 

1.テストチャート

 アルミホイル(0.012mm厚)の2〜3mm幅のストリップ、数字は重ねてある枚数です。
右には、0.6mmの矯正用ステンレスワイヤーを適当に曲げて・・・何かの参考になるかな?
後ろにあるのがアルミ板、3mm厚のアングルを一番下にして、
その上にテストチャート、さらに、2mm、5mm、5mmを重ねていきました。
照射時間は、0.1〜1.0sec、0.1 刻みに画像になる範囲を適用
 
Dexis 画像の評価は、専用ソフトでもっとも見やすい状態に処理し、アルミストリップが見えるか見えないか。
Film 画像は、そのまま肉眼で評価。
 
2.結果

  

Dexis

 



 
照射時間(sec)
 



 



 



 



 



 



 



 



 



 
アルミ板mm アルミホイル枚
 
0.1


 
0.2


 
0.3


 
0.4


 
0.5


 
0.6


 
0.7


 
0.8


 
0.9


 
1


 
3 1                    
  2                    
 
 
4
 
 
 
 
 
OverExp  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  8                    
  16                    
5 1                    
  2                    
  4                    
 
 
8
 
 
 
 
 
 
 
OverExp  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  16                    
10 1                    
  2                    
  4         Artifa Artifa        
  8                    
  16 Under                  
15 1                    
  2                    
  4                    
  8         Artifa Artifa        
  16 Under Under         Artifa      
 
 
Film

 


 
照射時間(sec)

 


 


 


 


 


 


 


 


 
アルミ板
 
アルミホイル枚 0.1


 
0.2


 
0.3


 
0.4


 
0.5


 
0.6


 
0.7


 
0.8


 
0.9


 
1


 
3 1                    
  2                    
  4                    
  8                    
  16                    
5 1                    
  2                    
  4                    
  8                    
  16                    
10 1                    
  2                    
  4                    
  8                    
  16                    
15 1                    
  2                    
  4                    
  8                    
  16                    

水色の部分がアルミホイルのストリップを判別できたものです。

灰色の部分は撮影してません。

Dexis の Sample Image 1番目はアルミホイル2枚まで判別できた画像、2番目は判別はできるものの Over Exposure のサインが現れたもの、右の画像は中央に原因不明の ArtiFact.

Film 画像の観察は、まず肉眼で行い、次に、スキャナーで読み込み(240dpi、8bitグレー)、簡単なデジタル処理試みましたが見えないものが見えるようにはなりませんでした。

以上の結果から、低コントラスト分解能は、Film Image より Dexis Image の方が優れているということになります。

3.考察&解説(昭和大学の原田先生よりメールいただきましたのでご紹介させていただきます。)

 アルミニウムの厚さ12, 24, 48, 96, 192μmを2-3mmの幅のストリップにしたものを厚さ3, 5, 10, 15 mmのアルミニウム板に重ねた被写体は、実験した歯科の画像システムのコントラスト分解能を評価するのに適したファントムとなっていたようです。先生の優れた実験センスに敬服します。

 ファントムの厚さが等比級数的に増加しているため指数減弱則で生じるX線コントラストから等差級数的に写真コントラストに変換されて微弱信号の観察には適していたと思われます。しかもひとりの観察者が同一の基準で視覚評価して結果を得ていますから、いろいろな撮影条件下での視覚識別能の比較研究にはよい条件になっていると考えます。

 このような主観評価では、いつも観察者がどのようなモデルになっているか問題となるのですが、私自身は、単純な微弱信号の観察では、通常は単純なモデルを仮定してよいと考えています。先生は背景にテクスチャーのある擬似信号を加えて実験されたようですが、アルミニウムストリップのような単純な信号源のときには、結・はテクスチャーに依存しないのではないでしょうか。

 

 そして従来のフィルムシステムとこのCCDシステムの比較では、適正な撮影条件が選ばれるなら(それは、フィルムシステムより低線量で好ましい条件ですが)、低コントラスト分解能は、フィルムシステムより優れているかまたは同等以上であるという結果を示しています。

 特にこのAlファントム(3 mmから15 mm程度の歯や緻密骨の被写体相当)に対しては本CCDシステムは0.2秒程度で実験配置のときに、優れたコントラスト分解能を発揮することが明らかになりました。残念ながらフィルムではこの線量の2倍から3倍に増加しても、一度に全ての被写体厚さ上の微弱信号を視覚検出できないようですし、コントラスト分解能はCCDに較べてよくない結果でした。特に被写体の厚いところではフィルムシステムは、0.2mm程度(192μm)にならないと識別できないようです。  

 さて、このことから、早急にCCDの全ての性能がフィルムに勝っているというような結論を出すべきではないでしょうが、CCDは高感度で低コントラスト分解能はフィルムより優れていることは物理的には確実と思います。コントラストの高い直径0.6 mmの矯正用ステンレスワイアのような信号ではフィルムよりざらついた感じに見えるのは、高感度であるため、CCD+蛍光体やX線光子の量子モトルが目立つためと思われます。これは低感度の分だけ当然フィルムの方が綺麗に見えます。低感度増感紙の方が高感度増感紙の画像より綺麗に見えるのと同じ理由です。 

 このCCDシステムの優れた点は、例えばステンレスワイアの観察ではなく米粒のような被写体や低石灰化物質を観察するときに発揮されるでしょう。そのような例は先生がWebにclinical sampleで示されている多分同一患者さんの同一部位を両システムで撮影したカリエスの画像に現われていると思います。厳密に同一の投影角度でなのでエナメル質の部分では両システムの優劣が判りませんが象牙質のところではCCDの方がよいコントラストでカリエスの孔がみえていると私には思われます。いかがでしょうか。

 ただし、次の点は留意する必要があります。フィルムをヴュ−ボックスで観察するとき周りを必ずマスクするようにすると検出能は飛躍的に向上します。先生は、この実験をされるときどうしましたか?そのため、同一のCRTで比較してみることも提案したのですが、先生の結果ではこのときにも結果は変わらなかったという結論でした。多分先生の結論はゆるがないでしょう。

 

以上、わかりやすく解説、丁寧な考察に感謝いたします。

 分解能(解像度)について考えてみます。歯科用標準フィルムは、20数 Line/mm、1mm中20数本のラインを識別できる解像度があるといわれます。精巧なテストチャートがないので、実際には測定できませんが。Dexisのスペックから、32×25.6mmのセンサーエリアがPCモニタ上で640×480Pixel(VGA)の画像になることから、分解能は最高20Line/mmと言うことになります。やや不満ですが、フィルムとほぼ同等? しかし、本来歯科用X線フィルムの分解能は、そのサイズで観察するために設定されたようなもので、デジタル化して大きなモニター上で観察する環境を考えた場合、倍ぐらい(SXGA)の分解能があってもいいのではないでしょうか?きっと後、数年後には実現するでしょう。それを診たときにはきっと感動ものでしょうが・・・治療精度は?

  導入した Dexis デジタルエックス線システムの疑問や不安、8割方解決した感じです。あとの2割は、20数年来見慣れてきたダイレクトエックス線フィルムシステムのイメージの束縛かもしれません。画像になるサイズが、フィルムは40×30.6mm、Dexis CCDは32×25.6mmと小さくなっていること、さらにモニター上で拡大して見ることに慣れていないからかもしれません。

 福島の大橋先生より,CCDにたいしてエックス線が斜入した場合につてご指摘がありました。私も気にしていたことで、時間を作って追試したいと思っています。
 Dexis のソフト、現在使用しているものはVer6,すでにVer7がリリースされています。USAでは無償アップデートなのですが、アイデンスにお聞きしたところ現在は予定なし、バージョンアップは有償でとのことです。日本語吹き替えで有償とはちょっとなぁ・・・
これから導入を検討されている先生は、無償でアップデートできるようにがんばってください。
 

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